認知症と歯科 認知症と歯科との関係

身体のこと

平成29年に内閣府が行った調査の中に

「高齢者の健康管理についてあなたが国や地方自治体に力を入れてほしいことは何ですか」

という質問がありました。

複数回答で80歳以上の方の回答は

・寝たきりの予防について 23.2

・認知症について 21.4

・心の健康について 11.4

・がん、心臓病、脳卒中など生活習慣病について 10.7

・健康診査の内容や受け方について 9.6

・健康増進のための運動方法について 7.9

・食生活のあり方について 7.9

となりました。

今日はこのうちの2番目の認知症に絡めた話をしていきます。

認知症と歯科は一見関係ないように思われかもしれません。ところが、認知症や認知機能の低下には、さまざまな因子が関係していますが、最近歯や口の機能と認知症の関係が注目されています。予防はもちろん、認知症の進行を抑える意味でも「お口の健康」は無視できないとされます。

高齢になると、お口の中にはさまざまなトラブルが発生します。その代表的なものが歯周病です。現在、日本人が歯を失う原因の約半数は歯周病だといわれています。歯周病の問題点は、単純に歯を失うというだけではありません。歯周病の原因菌や、炎症によって生じる物質が血管や食道などを通り、からだのあちこちに送り込まれます。その結果、誤嚥性肺炎や血管性の病気、糖尿病、メタボリックシンドロームなど、さまざまな病気の原因や悪化要因になっているのです。 そのうちの一つが認知症です。

この図は認知機能の低下に影響を与えるお口の中の要因ですが、「歯周病」という言葉が多いことに気づくはずです。つまり歯周病を予防することが認知症の発症の予防や、進行を遅らせるカギになるともいえるのです。この図を全て説明できませんが一つだけ。歯周病菌が脳に回るというものですが、これは2019年の1月にアメリカの製薬会社がアルツハイマー病の原因は,歯周病菌であり,この菌が歯ぐきから血中に入り,加齢や脳血管障害で弱くなった血液脳関門を通過し,脳内でタンパク分解酵素を産生・分泌することであるという論文を発表しました。そして,このタンパク分解酵素を阻害する薬剤を用いたアルツハイマー型認知症に対する臨床試験がすでに開始されているとのことです。これが実用化されればアルツハイマー型認知症の予防や治療が大きく変わる可能性があります。

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